システム開発が失敗する理由。必要なのは演技力ではなく理解力

気分を害する方もいると思います。

とんでもないカオスな現場に放り込まれた

販促部門内のシステム開発案件のとりまとめと、運用管理の仕事を引き継いだ時のこと。利用者に使い方をお知らせしたり、小改修依頼をまとめたりする担当でした。

引き継いだのは全部で4つシステム。全開発に600人日かけているという、そこそこお金がかかっているシステムです。

初めて見るシステムなので、どういうシステムなのか理解するために、試しに使ってみたのですが、

???!!!

なんか、おかしい。

それは爆弾でした。

トンチンカンなシステム

トンチンカンな例 その1

スタッフの業務管理システムに、とんでもない爆弾が隠されていました。あるスタッフだけ、成績がずば抜けているのです。現実的にありえない数字です。

このシステム、他にもこのようなエラーが多数ありました。1つ根深い問題が発覚して、改修するより初めから作った方がいい、という結論になりました。

トンチンカンな例 その2

部内のデータ集計のシステムに、各所の経費全体の中で接待費が何パーセントを占めているか、という数字を出している項目がありました。

各営業所の数字は正しい。しかし、全体の数字がおかしい。

各営業所のパーセンテージを合計して、営業所の数で割ってやがる。

算数的におかしいでしょ、これ。

トンチンカンな例 その3

勤めていた会社は大きな機械を売っていて、修理やメンテナンスも請け負っていました。

修理実績のデータを見てみたら、3年目の修理件数より5年目の修理件数が少なくなっています。

上司に、出てる数字が変だ、と報告するも、ユーザーさんが上手に使えるようになったから、修理が少なくなってるんだよ、という回答。

いやいや、緩衝材がわりに使ってるゴムとか経年変化するでしょ。交換必要でしょ。

調査したら、参照先のデータベースが古くて、最新の情報が更新されてませんでした。

このようなことが起る原因

それまでシステム開発の企画のな仕事は全くの未経験。どうにかこうにか立て直しを図るために、依頼者、開発者双方にヒアリングを行いました。

そしてわかりました。

システム開発はうまくいかないと開発者が非難されがちです。しかし、今回の場合は、システム開発が失敗する原因は依頼者側にありました。

失敗する原因① 何を依頼したいのか、依頼者がわかっていない

ヒアリングの過程で分かったのが、依頼者が何をしたいのか自分でもわかってないままシステム開発依頼をしている、ということです

例えば、こういうことがありました。データ集計をするシステ開発の依頼者は、販促部の部長でした。なので、部長にヒアリングを行いました。

今まで間違った数字を営業数字として集計していたことを報告し、何のために何をしたいのかヒアリングを行いました。

部長曰く、今まで通り。

今まで通り、とは、つまり何なのか聞き直しました。

部長、黙る。

依頼している本人が何を依頼したいのかわかってないのです。

失敗する原因② コンピューターに空気読め、という依頼

手作業がめんどくさいから、システム化してくれ、という依頼に基づき作られたシステム。一体どこを効率化したのかさっぱり不明でした。なので、依頼元の課長に聞きました。

よくよく聞くと、人間が判断する作業がめんどくさいから、システム化したい、というのが目的でした。

えー。

コンピューターは周りの状況を見て判断する、ということができないことを説明しました。

この課長、そーなんだー、と言ってましたが、コンピューターが周りの空気を読める、と思っていたのでしょうか。

前任者が演技力で仕事をしていた

失敗した前任者、会社の中で優秀と言われている若手でした。システム開発を無事リリースまですすめられた、という実績で、社内で表彰されていました。しかし、実態はダメダメです。損失しか出してません。

彼は初対面では非常に優秀に見えます。ハキハキ話すし、礼儀正しい。正しいことを言ってそうな雰囲気でした。

その雰囲気に多くの人が騙されました。彼は、周りに優秀と思わせる演技は上手なだけでした。

開発者は言われた通りにしただけ

開発者側の担当者にもヒアリングをしました。依頼者のトンチンカンな依頼に困り果て、仕方がないので100%言われた通りにした、という回答でした、

データベースの参照先が古いのも分かっていた。でも、古いデータベースを参照しろ、と指示があったのでそうしたと。

もう、疲れちゃったんでしょうね。トンチンカンな話に。

その気持ち、痛いほどわかりました。私も依頼者側のヒアリングをして疲れました。

システム開発案件は理解力のある人しかできない仕事

システム開発には理論をきっちり積み上げることが必要です。システムは理論ですから。算数みたいに、きっちりしてなきゃいけないんです。

だから、何をしたいのかがわからない、なんて論外。その時点で案件として取り扱ってはいけないんです。

出発点と目的を定義して、一直線に理論を積み上げられない人が関わると、失敗しするだけです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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