恵まれている環境でも発症するうつ病。恵まれてるからこそ逃げ出せない

役所に勤めの友人に聞いた話。友人の勤める役所はお金が集まるエリアです。住民の皆さんは穏やかで少しミスしたぐらいで怒ったりせず、寛容な人が多く住んでいます。

そんな恵まれた地域なのに、40代以上の男性職員で精神を病み、休職する人がいるそうです。

私はこの話を聞いた時、そうだろうなと思いました。私が勤めていた会社はとても安定した営利企業でした。安定していて給料も高いのに、精神を病んている人が10人に1人の割合でいました。

管理職にはなったけれど、先が見えない

勤めていた会社はグループ会社の社員数を含めて約3万人でした。小さな自治体のレベルの社員数です。

入社してからのキャリアパスが決まっている会社でした。新卒で入社すると、男性は営業職、女性は事務職に割り振られます。そして、男性の営業職は40代になると、事務職の「係長」になります。権限のない管理職です。

表面的には出世ですが、実質はその部署が「預かっている」状態です。仕事は中間管理職として、書類にハンコを押すか、他部署との会議に出席してその内容を部内に報告するぐらい。戦力として期待された存在ではありません。業務は元からいる女性社員で回します。

だからといって、給料が減るわけではありません。評価査定も平均評価をもらえます。仕事をしなくても生活費がもらえる、恵まれた環境なのです。

事務職は「何を伝えるか」を自分で考える仕事

営業職と事務職で必要なスキルは違います。営業職の場合、お客様が必要としている答えを察知し、それに対して適切な答えを用意します。

事務職にも相手が必要としていることに適切に答える能力は必要ですが、営業職と違うのは、相手に「何を伝えるか」を自分で考えることから仕事が始まるという点です。

例えば、営業企画の仕事だったら、営業スタッフに、商品の性能、魅力などお客様に伝えて欲しいこと、絶対に言ってはいけないNGワードを伝えます。伝える内容は、当たり前ですが、事務職のスタッフが自分で考えます。そして、その考えた内容を営業スタッフに伝えるのです。

私が勤めていた会社の営業はルート営業で、新規の顧客獲得活動はほぼゼロでした。営業職は新商品が発売されたら、商品説明会に参加して商品知識を覚えて、パンフレットを持って担当の客先へ行く、といのが仕事でした。客先で知らないことを質問されたら、本社に丸投げし、回答をもらって、そのままお客様に伝える、という営業スタイルでした。

売る物、売り先、売り方、全てが用意されている環境で20年近く仕事をした結果、「ゼロから自分で考える」「一から自分で考える」という能力が全く身につかなかったのです。

元、「営業マン」というプライド

営業マンってすごいプライドがあります。俺たちが会社に必要な金おを会社に入れてやってるんだ、俺たちがお前たちを養ってやってるんだ、と、事務方を見下している人が結構います。

特に有名企業でCM流しているような会社の営業マンは、自分で売っているわけではありません。実際に物を売っているのは、商品そのものだったり、マーケティング戦略だったりするのです。

営業マンは何をしているのか、というと、会社と会社を繋ぐ、という仕事をしているのです。繋ぐのが仕事で、物を売って会社にお金をもたらしているわけではないのです。

営業職と事務職は違うんだから、と、事務職の仕事ができるようになろうと努力する人もいます。部下に仕事のヒヤリングをし、必要な能力は何か、自分に欠けているものは何かを一生懸命知ろうする人もいます。将来の自分はあの人のようでいたい、と思える人もいます。

ですが、ほとんどの人はそうではありません。新しいことを学んだり、自分で考えようとしないのです。管理職になっているにも関わらず、自分が行動できない理由を「上からの指示がないから」と言い出す人までいます。

「自分で考える」ことを知らない人は、周りから「いてもいなくてもいい人」認定されていくのです。

ただ存在しているだけの自分

自分がいてもいなくてもいい存在。そう思い出すと、子供のように拗ねて周りに迷惑をかけ始める人もいましたし、逆に自分の殻に閉じこもって鬱病になる人もいました。

だけど、恵まれている環境だから辞める理由が見つかりません。だから居続けてしまいます。

あるようでない、自分の居場所。普通の人だったらおかしくなります。

「恵まれている」を評価するのは誰なのか

「恵まれている環境」というのは、一般的に、雇用が安定していて、そこそこ給料がもらえる会社、という環境を意味します。景気の波があり、倒産やリストラが相次いでいる中、雇用を維持している会社は素晴らしいと思います。

ですが、素晴らしい、というのは周りの評価です。会社に居場所がない、つらい。そういう現実があるんだったら、それは自分にとって「恵まれてない」ということなのです。

「恵まれてない」と感じているのなら、ぜひこの本を読んでいただきたいと思います。よくある、転職をすすめている本ではありません。

私はこの本を読んで、しばらく会社に残ることを決意しました。長い社会人人生、何を目指して生きていけばいいか、考え方を教えてくれる本です。

最後までお読みいただきありがとうとざいました。

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